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2013年9月2日月曜日

妥協と恊働の仕組み

こんにちは!比之宮の小川です。
山陰中央新報にコラムをたまに書かせていただいていますが、
字数が収まりきらなかったので、全文をこちらに載せたいと思います。

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 高校生というと皆さんにとってどんな存在でしょう?美郷町比之宮地区にとって、高校生は、里山社会を継ぐ大事な役割を果たしそうです。
 
 美郷町に越して来て高校生の地域での活躍ぶりに目を見張りました。道路端で小学校低学年の遊び相手をしていたり、年間行事では裏方として60歳以上のおじさんたちに交じって汗を流していたり、祭りで笛や太鼓を持って地域を練り歩いたり。

 神奈川県の私の実家付近の高校生は、近所の人に「出会ってしまう」地区の祭りよりも、人がごった返す大きな花火大会に、気の合う友達と出かけます。一方で、地域の高校生は、古いしがらみを抱えながらもみんなで行事を盛り上げようと、仕事を時には犠牲にしてまで地域のために働く大人を見ながら、地域活動に積極的に関わります。

 「気の合わない」人たちと職場以外で共生する、という経験は、都会の社会人は特に意識しなければ出来ません。人が多いのでその必要がないからです。ライフスタイルが多様な昨今、近所同士が顔を合わせることもめずらしい、そんな事情は都会も田舎も変わりませんが、声かけ、寄り合い、準備、イベント開催、なおらい…と繰り返される田舎の年間行事は、様々な価値観を持つ地縁の老若男女を繋ぎ止める大事な役割を果たしていると感じます。
 このような妥協と恊働する仕組みがある田舎にこそ、人が共生する能力を育てる土壌があるのでしょう。この夏、地元の高校生が、地域のために何か出来ることはないか?とボランティアを申し出てくれました。彼は5年後には、集落で農家として生きていきたいそうです。集落に育てきた彼が、どう地域を将来ひっぱっていくのか。大人が背中を見せ続けるしかありません。

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